大地震(1)

蠍座は蜆みたいな、潤んだ水色。力を入れなくてもするする流れてくる自然な感情の力。』


まさか?

東京に大地震

子供の頃から言われていたけれど、富士山大噴火と同じ位「絶対ない!」と思っていた。


何だか朝起きたときときから、変だった。
鍼の日なので11時半には家を出て、バスに乗る予定だった。
なのに、何だか気が乗らなくて、身の回りの支度も進まない。
文庫版の東京都の地図を、持って行こうかと考えたり、「今日は鍼を休んじゃおうかな?」なんてうだうだしていた。
そんなことをしていたら、遅くなってしまったので、30分遅れますと伝えて、電車で東京駅に向かった。
駅の地下を歩いていると、足がすくわれる感じがした。
今日のめまいはすごいな〜、なんて思っていると床と柱が軋んで、「きゃ〜」と叫ぶ声がした。
次の瞬間、がくっと床が揺れ出した。
すぐに収まるでしょ?と思ったら、揺れは更に強くなる。
「この揺れはただものじゃない。もし天井が崩れたら、埋まって死んじゃう!」
とりあえず一階に上がろうと、まだ動いていたエスカレーターに乗る。
上がったところが、吹き抜けだったので柱の付け根にしゃがんで、リュックで頭を覆って、揺れが収まるのを待った。
揺れを感じなくなってから、表に出てみる。
向かい側の古いビルからは、ガラスが落ちて割れていた。
どうしよう…
すでに携帯がつながらないので、安否確認を兼ねて鍼の先生を訪ねてみる。
無事だった。
よかった…
たまたま今日は、患者さんがひとりも来なかったそう。
私も、普段通りに来ていたら、きっと治療中。
すぐには逃げられなかったはず(^^;
安心したので、帰ろうとすると余震が。
結構大きい。
小一時間様子を見て、揺れの間隔が開いてきたので、人のラッシュが起きないうちに、歩くことにした。
新大橋通りから、都営新宿線沿いのルートで行こうかと思ったけれど、JRが復旧した時のことを考えて、総武線に沿って歩くことにした。
みんなどこまで歩くんだろう?
スカイツリーで作業をしている人、怖かっただろうな〜
亀戸(?)のドン・キホーテでは、自転車を買う人が行列していた。
そうよね、こういう時はやっぱり自転車よね。
ああ、乗れたらなぁ…
川を渡る時の風が強くて、冷たい。
途中のマックで、トイレ休憩&補給。
千葉街道をひたすら下ると、やっと市川橋が見えてきた。
携帯を見てみると、JRも京成も、今日は運休らしい。